オーストラリアのウオンバット

オーストラリアのウオンバット

目次

ウォンバットホームページ

【オーストラリアの動物たち】

コモンウォンバット ガマグチヨタカ

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ウォンバット:

ウォンバットはコアラと近い親戚関係にある。両者とも小柄で筋肉質の体型を
しており、雌はお腹に後方に(カンガルーとは逆)に開いた腹袋を持っている。
類似性はこれぐらいであり、その習性となるとかなり違っている。

ウォンバットは地中に掘った穴を住処とし、そのために強力に鍛えあげた前足
には短く平たい爪を持っている。時には、20mにも及ぶ長いトンネルを堀る
こともある。穴は地面に垂直でなく、むしろ丘などの傾斜地の側面にほぼ水平
に掘られることが多い。

ウォンバットは毎晩、自分のテリトリー(領域)を守るために、そこに掘った
複数個の穴を、臭い付けのために次々に訪れる。通常彼らは単独で暮らしてい
るが、他のウォンバットと共有している場所に穴を掘ることもある。

多くのオーストラリア固有の他の動物と同様、ウォンバットも夜行性の動物で
あり、昼間は穴の中で眠っている。但し、これには例外もある、主に山岳地方
においてであるが、冬期に昼間穴からでて日光浴をするウォンバットを見るこ
とがある。

ウォンバットは草食性であり、葉、茎そして根をよく食べる。多くのオースト
ラリアの植物は珪土分が多く、そのため彼らの歯はよくすり減るが、ネズミや
りすの齧歯の様に一生その成長が継続する。

ウォンバットの視覚はあまりよくないが、嗅覚は良く発達している。また興味
有ることであるが、ウォンバットはコアラのそれとは比較にならない大きな脳
を持っている。自然界に於いて、草食動物より肉食動物の方が、捕食に知性を
要求されることからも大きな脳を有している。

私の個人的経験であるが、ブルータス(シュリーバー氏が育てた孤児のウォン
バットの名前)は非常に賢く、犬のように私の後を追ってきたりよく遊んだり
した。しかし彼は少々てあらっぽくじゃれつくので、私はいくばくかの傷跡を
負うことになった。ブルータスについて私が何よりも先に学んだことは、彼は
体の割りには力の強い生き物であることだった。彼がはじめて家にやってきた
とき、彼はたった2Kgしかなかったのだが、一旦彼が行こうと決めた方向に
ある障害物はただちに脇にやられるか、さもなくばらばらにされる羽目になっ
た。不覚にも私が彼の目前で閉めたために、彼が中に入るのを阻んだ、蝿よけ
ドアーはみごとに壊されてしまった。

ウォンバットを餌にしている動物は少ない、多分ディンゴのみが大人のウォン
バットを餌食にできると思われる。小さいウォンバットを捕食できるのはウェ
ッジテイルイーグル(くさび形の尾をもった鷲の名)位であるが、幸いかれら
は昼間活動性の動物である。ウォンバットを追いかけて、おろかにもその穴に
押し入る狐や犬は、直ちに穴の壁に30Kgにも及ぶ体重とその強力な筋力で
押しつけられ殺されてしまうこともある。

ウォンバットは40Kg以上に成長するものもいるが30Kg程度のものが平
均的だ。その力強さと大きさゆえに、ウォンバットは”薮の中のブルトーザー”
と呼ばれている。

ウォンバットの生息地は主にオーストラリアの南東部である。およそクィーン
ズランド州の南東部から海側までの地域、ビクトリア州の山岳地域より南オー
ストラリア州の南部に至る地域とタスマニアである。

ウォンバットは3種に分類される。初めに、コモンウォンバット(Common Wom
-bat/Vombatus ursinus)は地域によっては非常に多く見ることができる。そ
の多さゆえに、柵を壊される農家では彼らを害獣と考えている人もいる。

次に、南鼻毛ウォンバット(Southern Hairy-nosed Wombat/Lasiorhinus  
latifrons)は西オーストラリア州と南オーストラリア州の限られた地域に生
息している。彼らは砂漠地帯に住み、長時間の間極端に高い気温のもとで、水
を取らずに生きていける非常に興味有る生理学的適合性を有している。かれら
はその生息地と呼ばれる所でも数えるほどしかいない。

最後は、北鼻毛ウォンバット(Northern Hairy-nosed Wombat/Lasiorhinus 
refftii)であり、絶滅の危機にある。化石の調査では彼らはビクトリア州、
ニューサウスウェールズ州とクインズランド州にわたる広大な地域に広く分布
していた。今世紀のはじめ、彼らはニューサウスウェールズ州南部のデニリ
クインとクインズランド州のムーニーリバーに生息していた。彼らは1900
年代はじめの干ばつで激減したと言われているが、実際には大規模な牧場と羊、
などの家畜の導入ラッシュが大きく影響している。つまり家畜の導入が彼らの
限られた地域で得られた食料を奪い去った。

この時点では彼らの絶滅は真剣に議論されてはいない。1937年にクインズ
ランド州のクリアモント近くのエピング森に少数の生息が発見されたが、彼が
実際に繁殖できる機会を得たのは、1987年になって、やっと彼らの生息地
から家畜が排除されてからであった。1971には僅か35の個体を数える
ことしかできなかったが、1995年には80まで回復している。悪いことに
最近、再び減少し60あまりと言う未確認情報もある。

彼らが現生息地以外の地域で繁殖し、十分な数を得るまでは、彼らの絶滅の
危機は無くならない。1ヶ所での生息は余りのも危険である。気候風土の変化
や災害によりあっと言う間に全滅する可能性も有るからだ。

ウォンバットは1年中いつでも繁殖が可能であり、子供は通常1度に1匹生ま
れ、母親の腹袋で約6カ月過ごす。腹袋から出た(出された?)後は母親の後
を1年ほどついてまわる。約2歳で性的成熟を迎え、野生の寿命は最低でも5
年、動物園などでは20年も生き続けるものもいる。鼻毛ウォンバットの方は
コモンウォンバットより長生きだと言う記録もある。

          1996年3、4月 ロバート シュリーバー氏記(槙野 幾文訳)
ウォンバットの子育て奮戦記など、シュリーバー氏の
すばらしいホームページをご訪問ください。(ここをクリック)。

Photographs Courtesy of Robert Schrieber, Bendigo Victoria Australia

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【タロンガ動物園】

シドニーよりフェリーで12分の所にある、この動物園の構成は日本の
動物園に似ている。カモノハシ、はりもぐら、有袋類などオーストラリア特有
の動物に加え、外国の動物も多く見ることができる。我々がウォンバットを訪
れた時彼(彼女?)は丸太小屋で昼寝の真っ最中。

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photo by Ikufumi Makino in July 1989.

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【フェザーデイル ワイルドライフパーク】

シドニーから電車に乗って、約1時間ブラックタウン駅下車、バスでおよそ
20分のところにある。有袋類の種類も多く、ウォンバットは多数で歓迎して
くれる。

コモンウォンバット

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photos by Ikufumi Makino in July 1989.

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【シンビオ コアラガーデン】

シドニーよりグレッズウッド牧場(バーベキュー、羊犬、羊毛刈りショウなど)
行きのバスツアーの途中で立ち寄った。小さな動物園というより、オーストラリア
動物の牧場と言う感じだ。広場では入り口で配られるパンをカンガルー、ワラビー
などに自由に与えることが出来る。運が良ければウォンバットを抱くこともできる。

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photo by Ikufumi Makino in August 1989.

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【奈穂美のほのぼの動物記】

ネズミカンガルーと私
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メルボルンに家族で住んでいたのは、1974年から2年半くらいです。
私が、小学生の3年生から5年生までの間です。

私の家族は、当時の日本人駐在員には珍しく郊外にへキャンプに行くのが大好きで、
いつもへんぴなところへテントを車の屋根に結わえ付けて出かけました。

今もきっと郊外では、同じなんでしょうけど、当時メルボルンの郊外は、動物天国で、
動物を見るのが楽しくて仕方がなかったのです。カンガルーやエミューはしょっちゅう
だし、ウオンバットも。でも、見かける数は死んでいる方が多かったのです。

家族で始めてウオンバットを見たのは、死体だったんです。ショック死した夫婦の
ウオンバットでした。道路を横断しようとしてた途中で、たぶん一匹は外傷があった
から、車にぶつかったんだと思うのですが、片方は、明らかにショック死。外傷なし、
立ったままの状態で硬直していました。しかも、道路横断中のまま・・・


わが家の車は、見たこともない黒い物体が道路に立ちはだかってるのを見て、
急ブレーキをかけ、

父「うわぁ!!」。
母「豚だ!!」。
私「熊だ!!」。
姉「ウオンバットだ!!」。

なにせ、知らないんですから、豚だの熊だの勝手なこと言っていました。
姉だけは、家庭教師からの課題本で、ウオンバットの存在を知っていたんです。

生きてるウオンバットに出会ったときも、車は何とか止まれたからよいものの、
「走れよ!!」って怒鳴ってしまいたくなるほど、のろのろとしか歩けないのです。

ひかれてしまうのも分かります。ぼのぼのワールドに住んでるような生き物なんです。

そんな野生のウオンバットばかり先に見てしまったので、動物園で見たウオンバット
は、こてこてに太っていて、とても不自然に感じました。
でも、その方が、かわいい・・・。


1992年、西オーストラリアに一人旅をしました。その時パースの北50Km程に
あるヤンチェップというところの野生動物保護園( Caversham Wildlife Park )を
訪ねました。

このページの写真はそこで撮ったものです。私が抱っこしているネズミカンガルーは
小っちゃくてとてもおとなしい有袋類です。今や絶滅の危機にあると言われている、
毛鼻ウォンバットもいました。彼女はふわふわで、とっても可愛かったのですが、
ごらんの体形、落っことしそうなので、抱っこはあきらめました。


                      平成9年7月  後藤奈穂美

毛鼻ウォンバット
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photos by Naomi Goto

よろしければご感想など下記にメールをお願いします。
gdaymate@violet.plala.or.jp (Naomi Goto)


【ポールのブッシュウォーキング】

オーストラリアにはブッシュウォーキングに適した場所が
多くあります。余暇を見つけ、仕事を忘れ、天気の良い日
に出かけるブシュウォーキングは格別なものです。このペ
ージの写真は南オーストラリア州にあるフリンダーズ・レ
ンジで撮影したものです。フリンダース・レンジの殆どの
部分は国立公園になっており、そのため多くの野生動物が
棲息し、その観察はブッシュウォーカーの楽しみのひとつ
でもあります。この写真は友人が南オーストラリア州アルカルーラの町を見下ろす場所
で撮ったものです。アルカローラは車でアデレード北617kmの所にあり、フリンダ
ース・レンジの中に位置します。アルカローラは、天文を趣味とする私にとって特別な
ところでもあります、なぜならそこには小さな天文台があるからです。天文台にはセレ
ストロンの360mm(14インチ)F11のシュミット・カセグレン望遠鏡があり、
訪問者は夜空の散策を楽しむこともできます。

ペンター山と呼ばれるところからそう遠くない、北のレン
ジでのブシュウォーキング。


エコーキャンプと言われている人里離れたところで、私と
私の友人は非常に幸運にも、珍しい黄足岩ワラビー(直訳
です)に遭遇しました。尻尾に帯状の横縞があるのがこの
珍種の特徴です。


この写真は私がワラビーに近づいているところです。この
種は非常に珍しく、野生で見ることも希であり、間近で見
ることが出来たのは、貴重な経験であった。


同じ場面です。


尻尾の特徴がよくわかる、黄足岩ワラビー(直訳です)の
貴重な写真です。


小さい岩の上に立っているところの近接撮影。私たちはあ
たりを2時間ほど歩いて、多くのカンガルーがいるなかで
やっとのことで5匹ほどこの珍種を確認しました。がフリ
ンダーズ地域では、多くの種類の鳥やカンガルーそしてエ
ミューを観察することができます。この地域は地質学者に
とっても、化石や地勢の研究など非常に関心がある場所で
もあります。


もしあなたが南オーストラリア州を訪問する機会があれば、ブッシュウォーキングには
フリンダース地域を勧めます。 どこでも重要なことですが、その装備としては十分な
水は欠かせません、また地図の使用や案内板に従うことも必要なことです。いまひとつ
オーストラリアでは非常に危険は毒蛇がいることで、彼らに遭遇しても決して近づかな
いことです。
             ポール カーナウ 1998年1月記(槇野 幾文訳)

-画面をクリックすれば引き伸ばした画像が得られます-

photos by Paul Curnow

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paulc@ching.apana.org.au (Paul Curnow)

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[投稿写真集]

[ウイルソンプロモタリ]


私と私の家族は、1997年1月にウイルソンプロモタリでよく慣れ、親しげな
ウォンバットに会うことができました。彼はシャワー室の水たまりの水を飲んで
いました。ウイルソンプロモタリは、ビクトリア州にあるすばらしい国立公園
で、州都のメルボルンから2時間のところに位置します。

                                ピーター スペンサー 1997年7月
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[私のウォンバット]

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メルボルンの近く、ペンギンで有名なフィリップ島に行く途中にある、野生動物園では
手から餌を食べてくれます。オーストラリアから連れ帰った大きなぬいぐるみは関空で
本物と間違えられたほどです。

                                   平成10年2月 今西 早百合 
                                  


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